引越し スタッフの心得というのか、うちの会社の部長さんの口癖に「嫌そうな顔で荷物を運ぶな」というのがありますね。考えてみればもっともな話で、僕たちはお金を貰って荷物を「運ばせていただいている」わけですから、仏頂面ではお引越しをなさるお客さまが気を悪くなさるに決まっていますよね。でも僕たちが笑顔で元気よく荷物を運べば、お引越しをなさるお客さまも「自分は今お引越しという素晴らしいイベントを体験しているんだ」という気持ちになっていただけると思うんです。
引越し スタッフの仕事を始めた最初の日にリーダーから口をすっぱくして言われたのが「荷扱いは丁寧に」ということでした。たとえ中身がタオルしか入っていない荷物でも、僕たちがぞんざいに扱っていたら、それを見たお客さまはどう思われるか。ちょっと想像すれば判ることです。たとえ軽く安全な荷物でも誠意を持って丁寧に運ぶことで、お客さまは安心して僕たちに仕事を任せてくださるようになります。引越しが時間との戦いなのは事実ですが、荷物を乱暴に扱っても引越し能率が上がらないのも本当なのです。急がば回れって言いますけど、あれは真理ですよ。
引越し スタッフの心得といってもそう沢山あるわけじゃないです。今も言ったように「荷物を愛し、仕事を愛する」という基本理念に忠実であれば、そう大きな失敗をすることは無いのです。それにこれはどんな仕事でもそうだと思いますが「お客さまへの尊敬の気持ちを忘れてはならない」ということですね。荷物を運んでやっているんだという傲慢な態度はすぐ顔に出ます。それはお引越しをなさるお客さまの我々に対する信頼に直接影響しますし、万一トラブルが生じたとき、問題が必要以上に大きくなる原因にもなります。引越しは気持ちよく行いたい。それはお客さまも我々スタッフも同じだと思うんです。
引越しとは直接関係ないですけど、常に清潔に心がけろとはリーダーにもよく言われますね。うちの会社は引越し現場から戻ると強制的にシャワールームへ放り込まれてしまいます。ユニフォームも会社専属のクリーニング業者が毎日持って行ってしまいます。現地解散のときはユニフォームだけその場で没収です。よっぽど社長がきれい好きなんですね。
引越し スタッフのアルバイトには僕も含めて、スポーツをやっていたり演劇をやっていたりバンドをやっていたりと、身体を動かして行う何かをやっている人間がけっこういます。こういう人間にとって引越しは、お金がもらえて身体が鍛えられる格好のお仕事ということになります。自然、腰を痛めないよう荷扱いを慎重にするとか、ふだんから早寝早起きの習慣をつけ深酒をしない、といったことを心がけるようになります。そういう意味で、プロのスポーツ選手と引越しスタッフには共通点があるかもしれませんね。