引越し スタッフのプロ意識は、今も言った「生活態度を律する」ということにも現れているかもしれません。また、引越しスケジュールは前もって決まっているものですし、どの現場にどのチームが赴くかも数週間前から決まっています。当日になって急に行けなくなりました、などという無責任は通用しません。一人でもメンバーが欠ければ引越し作業ができなくなるからです。チームへの迷惑、会社への迷惑、何よりお客さまへの迷惑。会社の信頼にも傷がつきますし、ことは自分一人の問題で済みません。「責任感」は何も引越し業界だけのものでなくあらゆる仕事に共通する「プロ」の条件だと思います。
引越しのプロであるチームリーダーやサブリーダーはもちろんですが、その下で働く我々現場スタッフも「引越しのプロ」としての自覚を求められます。だってお客さんの目から見たら、リーダーも入社1ヶ月のアルバイトも同じく「引越し屋さん」に違いないからです。僕たちは会社のユニフォームを着ている限り、会社のスタッフとしての責任と誇りを持って、プロとして引越し荷物に接するのです。
引越し 業界に入って最初に教わったのが「ダンボール箱に入った荷物の持ち上げ方」でした。それまで何も知らない素人だった頃は、箱を持ち上げるときはただ両手でへりをつかみ、そのまま「えいや」と腰で持ち上げていました。でもこれでは重い荷物を持ったとき、たちまちぎっくり腰になる危険があります。立ったまま腰だけをL字に曲げて荷物を持とうとするのはさらに危険です。引越し荷物には特に重いものがたくさんありますから、いちいちこのような持ち上げ方をしていては身体がもちません。引越し荷物の持ち上げ方にはちゃんとコツがあったのです。
引越し 荷物はどんな形のものでも必ず膝を曲げてしゃがんでから持ち上げます。段ボール箱のような引越し荷物では、しゃがんだ状態から箱の対角線上の角をホールドし、テコの原理を応用して先ず膝の上に乗せます。次に反動をつけて腰の上に乗せつつ立ち上がり、さらにテコの原理と反動を利用して肩の上まで持ち上げるのです。肩まで上がらない重い箱の場合、荷物の底面に腕を入れ替え、胸の前にホールドして運びます。この「段階的持ち上げテクニック」が流れるようにスムーズにできるようになると、まるで嘘のように力を使わず荷物が運べます。引越し荷物は数がありますから、いかに無駄な力を使わず運べるかが大事なテクニックになるのです。スタミナが温存されれば荷扱いも丁寧に余裕を持って行えますし、大事な引越し荷物に傷をつけることも無くなります。
引越し 荷物は段ボール箱のように形が整っていないものでも、扱いの基本は同じです。いきなり持ち上げようとせず、先ず荷物の下に身を入れるようにしてから段階的に持ち上げていきます。一人で持てない大型家具などは二人で組になり運ぶのですが、このときも身体を入れる向きなど、進行方向に対して両者が楽な姿勢を取れるよう計算して行います。階段や曲がり角では、車の運転で使うテクニック「切り返し」をうまく応用して、絶対に荷物と建物を接触させないよう慎重に移動します。前もって家具の角や部屋の柱などにクッションを巻く「養生」を施しておくなど、引越しのプロは完璧な仕事のため手間を惜しみません。